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ブルー/大萩康司

フランス音楽やモンポウなどのスペイン音楽を収めた1枚。

曲目
1.トッカータ・イン・ブルー(ドメニコーニ)
2.亡き王女のためのパヴァ-ヌ(ラヴェル/ディアンス編)
3.美しき暗殺者(ムートン/イエギン編)
4.ヴィラ=ロボス讃歌(ディアンス)
5.グノシェンヌ1番(サティ/ディアンス編)
6.コンポステラ組曲(モンポウ)
7.皇帝の歌(ナルバエス)
8.サラバンド(プーランク)
9.ハシント・チクラーナ(ピアソラ/ウルクズノフ編)
10.タンゴ・アン・スカイ(ディアンス)

先日、NHKのBSで大萩康司さんと、2005年のミュンヘン国際コンクールで優勝した北京生まれの期待の若き女性チェリスト、チョウ・チンさんのコンサートを観ました。

この二人はCDも発売したのですが、それを聴く前にTVを観たというわけです。

「チェロとギターは結構合うなあ。」というのが感想です。そこで、当然この二人の出したCDのご紹介と行きたいところですが、ここはソロギターにこだわって、同じ大萩康司んの作品でも2003年の作品「ブルー」をお薦めいたします。

大萩康司さんの一番好きなところは音色です。どちらかと言えば硬質な音。ブリッジよりの音といいましょうか・・。そして独特の間というか、テンポというか・・。そこに妙に艶っぽさを感じてしまうのです。この二つ要素が絶妙にミックスされていて、それが強烈な個性になっているのだと思うのですが・・・。

もちろんこの「ブルー」以外でも良い作品をリリースしていますが、個人的にわたしはこの作品が一番好きです。先ほどの要素がよく現れています。そして選曲がまた良いんですね。

わたしの好きな作曲家ドメニコー二さんやディアンスさん、そしてラヴェルさんと・・。聴いていて飽きがこない構成も、よく考えられていて思わず聴き入ってしまいます。

この曲はマスターしたい

1曲目のトッカータ・イン・ブルーや4曲目のヴィラロボス賛歌も良いのですが、まずは2曲目の亡き王女のためのパヴァ-ヌ

大萩康司さんの演奏は先ほどの「艶」が出ていて、この演奏には妙にハマってしまいます。本当に哀しげで、涙モノ!

演奏が突出しているわけではないと思いますが、理由はよくわかりません・・・・。でもこの「雰囲気」は寂しげな曲を弾くときに参考になりそうです。

そして9曲目のコンポステラ組曲

この曲はゼゴビアさんをはじめに数々のギタリストによる名演奏がありますがここでの演奏もなかなかです。

実はこの曲、自分の練習曲にしたいと思いつつ、手をだす機会を失っている曲なんです。超個人的にはT・プレリュードが大好きです。

フュージョン系がお好きな方にはリーリトナーさんのザ・リットバリエーションズの原曲と言った方が解りますね。

そして10曲目のタンゴ・アン・スカイ

以前CMでも流れていたので超有名曲ですね。大萩康司さんの演奏の特に好きなところはまず音質。この曲では、かなりブリッジよりで弾いているため、結構カチカチな音です。でもこれがこの曲の雰囲気と良くあっています。

この曲はギターのボディを叩いて、音というか、特殊効果的なことをするところが何ヶ所かあるのですが、超個人的には2回目のサビ前のパーカッシヴな奏法の部分を是非マスターしたい。でもなかなかタイミングよく入れるのは難しくて・・・。

意識するとぎこちないし、あまりにも無意識だと、次のサビに入るのが一瞬遅れるし・・・。「タタタ・タン」と指でボディを叩くのですが、解りやすく言えば、夏木マリさんの絹の靴下での指使いを逆にして(?)ボディに当てるというか・・・・。余計わかりませんね。

でも、これが実にいい感じなのです。以前、大萩康司さんのライヴを聴きに行ったときに、サインをしてもらう機会があったのですが、そのときに何と!大胆にも、「今夜のタンゴ・アン・スカイですが、大変参考になりました!」・・と、絹の靴下の指使いをしながら言ってしまいました・・・。大萩康司さんがキョトンとしていたのは言うまでもありません。(お恥ずかしい・・・。)



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