禁じられた遊び・ギター名曲集/ペペ・ロメロ
ロメロ・ファミリーの長男であるぺぺ・ロメロさんの小品集
1. 禁じられた遊び(民謡)
2. アルハンブラの思い出(タルレガ)
3. アラビア風奇想曲(タルレガ)
4. タンゴ(アルベニス)
5. アストゥーリアス(アルベニス)
6. 入り江のざわめき(アルベニス)
7. グラナダ(アルベニス)
8. アンダルーサ(グラナドス)
9. 粉屋の踊り(ファリャ)
10. 「魔笛」の主題による序奏と変奏曲(ソル)
11. プレリュード第1番(ヴィラ=ロボス)
12. ロス・ピーノスのロマンス(トローバ)
13. スペインのセレナード(マラツ)
14. シャコンヌ(J.S.バッハ)
ロメロファミリーと言われている音楽一家で育ち、第一線で活躍するペペ・ロメロさん。師匠は父であり、ギタリストであったセレドニス・ロメロさん。
スペイン生まれですが、アメリカでの音楽活動を少年期にしていたとのことで、そんなに情熱的な感じでもなく、どちらかと言うと洗練されている感じがしますね。
このアルバムは本当に有名な曲を名手が奏でているので聴き応えがあります。
洗練されているとは言っても、きらびやかだったり多少の粗さはスパニッシュな感じ。特に特徴的な奏法である「ラスゲアード」を多用する曲はまさに本領発揮と言う感じです。これはやはり血統なのでしょうか。
クラシックギターの場合は基本的に、皆同じ譜面とアレンジで演奏します。もちろん独自のアレンジでする人もいますけれど・・・。それをどのように解釈して弾くかと言う魅力があります。
特に1曲目の超有名な「禁じられた遊び」や「アルハンブラの思い出」などはいろいろと聴き比べてみると面白いですし、参考になります。
ここでのペペ・ロメロさんの演奏で気がついたのですが、結構音をスラーでつなげて引きずっていると言うか、そんな感じでメロディを弾いています。これは私たちがテクニック的な問題で、引きずってしまう!と言うのとは違ってやはりペペ・ロメロさんの解釈なんでしょうね。
■この曲はマスターしたい
5曲目の「アストゥーリアス」。
この曲を一番最初に聴いたときのインパクトはかなりありました。以後いろいろなギタリストの「アストゥーリアス」を聴きました。テーマの盛り上がりの部分で1から6弦を一気に「ジャ!」って弾いて、16符音符のパッセージを続けるところがありますが、ほとんどのギタリストがフラメンコの「ラスゲアード」では無いですけれど、それに近いように激しく、短く弾きます。
しかし、この演奏ではなめらかに、やや長めにアルペジオのように弾いています。
スペインの生まれなので期待していましたが少々外れた感じでした。
しかし何回か聴いているうちに「これもありだな」と思えてきました。自分で弾いていても、この演奏のように弾いた方がしっくり来るんですね。これが・・・。
14曲目「シャコンヌ」。
言わずと知れた名曲。そして今わたしが取り組んでいる曲。
この演奏もすごいですね。特に中間部分のアルペジオの速いパッセージは、本当にいろいろなギタリストがいろいろなことを奏でています。人によってかなり違うので面白い部分と言えますね。
この演奏でも後半部分はペペ・ロメロさんも結構大変そう・・・。村治奏一さんが「ヴァイオリンでは難しいが、ギターでは比較的簡単に弾ける部分」と以前TVで言っていました。
「そうなんだ!」と勇気づけられ、弾いてみると「やっぱりね・・・。」という感じで撃沈してしまう今日この頃です・・・。