ヴィラ=ロボス:12の練習曲&5つの前奏曲/山下和仁
腰の座った、内容豊かな名人の演奏
1・12の練習曲
2・5つの前奏曲
(エイトル・ヴィラ・ロボス)
クラシックギタリストの山下和仁さんの作品です。
山下和仁さんといえばあのクラシックの名曲「展覧会の絵」をソロギターで演奏した名盤がありますが、今回は山下和仁さんというよりも作曲家のエイトル・ヴィラ・ロボスさんの12の練習曲をご紹介したいと思いこのアルバムを選びました。
12の練習曲はいろいろなクラシックギタリストが録音しており、またコンサートでもプログラムされる名曲です。なんでこの曲が練習曲なのか不思議です。
12曲ありますが、どの曲をとっても大変良い曲です。もちろんテクニック的にも練習曲を越えています。
「クラシックギターはどうも・・」というかたもこの曲は聴いてみて下さい。わくわくするようなかっこよさがあります。とくにこの山下和仁さんの演奏はまさに怒涛。はっきりいいましてすごい演奏です。
さすが第一人者という感じです。わたしも一応やや怪しげながらも全曲弾きましたし、今でもよく弾きます。
この曲はマスターしたい
1曲目・12の練習曲第1番
右手のウォーミングアップには最適です。左手はコードの平行移動が主ですが右手は複雑なアルペジオを繰り返します。クラシックギターを演奏する人に限らずこの曲はぜひレパートリーにしていただきたいと思います。右指の能力が間違いなくアップします。山下和仁さんの演奏はめまぐるしいスピード感があります。
1曲目・12の練習曲第7番
スパニッシュな感じのする曲です。とても練習曲とは思えない完成度を持っていますのでぜひレパートリーに加えたい曲です。山下和仁さんの演奏はまさに怒涛のごとく超絶なかっこよさをもった演奏です。
1曲目・12の練習曲第10番
個人的にはこの第10番がいちばん難しいと言うか、弾けない感じです。プリングとハンマリングを繰り返すのですが、それをしつつ低音でメロディを入れていくというかなり困難な曲。でもこの曲はオーケストラ的なイントロと劇的なエンディングでかなりかっこ良い曲です。
ここでの山下和仁さんの演奏はかなりゆっくり弾いています。一瞬「なんだ、ゆっくり弾いてるんだ!」と喜んだのですが、後でこれは意図的にゆっくり弾いているんだとわかりました。このゆっくり弾く感じも聴いていくと、なかなか良いんですよね・・・。