渡辺香津美ソロギターパフォーマンス
渡辺香津美さんの珠玉のソロギターパフォーマンス。
1・ロンドンデリーの歌 演奏と解説
2・ワルツ・フォー・ココ 演奏と解説
コラム1:僕がギターに夢中になった頃
3・トチカ 演奏と解説
4・ティアーズ(ヴェートーヴェン”悲愴”より) 演奏と解説
5・ワン・ノート・サンバ 演奏と解説
6・スペイン 演奏と解説
コラム2:出演したギター達の話
コラム3:ギター上達への道
ジャズ界の名手、渡辺香津美さんのソロギターの教則DVDです。
最近の渡辺さんはソロギタリストとしても著名でジャンルを越えて演奏活動をしています。そう言えばつい先日もNHKのBSでクラシックの村治佳織さんと出演していました。
そこで発見したのでですが明らかに上達しているのです。とプロを捕まえて何なんですが・・・。
以前のソロはどちらかと言うと、その奏法も音色もジャズギタリストがたまにソロを奏でるという感じがしていましたが、このTVでの演奏は、その弾き方といい、音色といいまさにソロを極めつつあると言う感じがしました。プロでも弾けば弾くほど上達するんですね。思わずがんばりたくなりました。
このDVDは、今の渡辺香津美さんからすると、少々ぎこちない感じもありますが、それでも内容はすごいです。
参考になる部分が無数にあると言っても過言ではありません。
曲調もいろいろで、それに伴って使用するギターもスチールのアコギからナイロンのクラシックそしてフルアコースティックのエレクトリックと様々。
そして1曲ごとにそのポイントを解説しています。
ここでご注意ですが、解説といっても「ここの部分はこうやって弾く」「あそこはこうやって弾く」ということよりは、曲全体を捉えたときのアイディアや音色など、単なる教則DVDではなくて自分でオリジナルなソロギターを弾くための解説なのです。
これはジャズギタリストとしての「インプロビゼーション(即興)」と言うことがあるのだと思います。そのため附属のコピー譜もテーマ部分のみ掲載でインプロビゼーションの部分はコードネームのみの記載になっています。
と言うことは、このDVDの演奏をそのまま弾くことはコピーする耳がないと難しいと言うことになります。まあインプロビゼーションにおいてはコピーはあまり意味のないことなんですけれど・・・。
ジャズを少しかじったことがないとわかりずらい所かも知れませんね。
この曲はマスターしたい
1曲目・ロンドンデリーの歌
個人的に好きな曲なので・・・。このようなトラディショナルな曲にはスチール弦のギターが良く合います。もちろんここではスチールギターで、カントリーと言うかフォーク風に弾いています。
初級編と記載されているけれどもこれは難しいですね。ここではスチール弦の倍音や特徴について解説しています。
2曲目・ワルツ・フォー・ココ
ジャズワルツです。ここではリズムの取り方やピックを使用してコードとメロディを同時に弾く場合のメロディの目立たせ方の解説をしています。
3曲目・トチカ
渡辺香津美さんの代表曲です。ここではオリジナルのピックの話からピックと指の同時弾きについての解説をしています。またインプロビゼーションをする場合の、特に単音でのソロの場合に3度の音を使用してコード感を出すヒントの解説が大変役に立ちます。
4曲目・ティアーズ(ヴェートーヴェン”悲愴”より)
このアレンジはいいですね。ここでは普通のコードをかっこよく変えるテクニックと言うかヒントを解説しています。これをリハモナイズと言います。またナイロン弦を指で弾く場合のタッチのしかたと音色について解説しています。
5曲目・ワン・ノート・サンバ
ここでは主にジャズギタリストのウェスモンゴメリーの親指奏法の解説をしています。
6曲目・スペイン
この演奏はかなり良いです。またかっこ良いです。ここでは難しいラインをゆっくりと弾いてリズムをキープする練習法を解説しています。
このDVDの中でギターの上達法についてコラムで話していますが、その中で特にその通りだと思ったのは、まずチューニングの重要性。
そしてゆっくり練習すること、しかも死ぬくらいに・・・。「ゆっくり弾けなければ早く弾けるわけないでしょう。」と言っていますが、まさにその通り。練習していると出来る部分は通常のスピードで出来ないと所はゆっくりとなってしまうんですよね。
出来ないところのテンポにあわせて全体のテンポをキープしていくことが大切だと思います。
そして自分の音と演奏を注意深く聴くこと。そして楽しんでやる事。だそうです。
最後にこう言ってこのDVDは終わっています。
「ギターの道は遠くて険しい、またひとたび奏でれば優しく楽しい。」