虹の彼方へ/タック・アンドレス
ギター一本で奏でる驚異のテクニックと歌心優先に美しい曲を聞かせてくれます
1.マイ・イン・ザ・ミラー
2.虹の彼方に〜わたしは知恵が欲しい
3.ルイ・ルイ
4.ボディ・アンド・ソウル
5.スウィートP
6.ステラ・バイ・スターライト
7.マノナッシュ
8.カーニバルの朝
9.グルーヴス・オヴ・ジョイ
10.ビギン・ザ・ビギン
88年にタック&パティでデヴューしたタック・アンドレスさんの90年発売のソロアルバムです。
このアルバムは完全ギターソロアルバムです。もちろんタック&パティもギターと歌のみのユニットですので演奏自体は大体創造がつきましたが、それを越えた出来のアルバムでした。
ギターのメロディとハーモニーだけではなく、タッピングやハーモニクスを使ってドラムやベースのパートまで再現するギタープレイがタック・アンドレスさんがワンマンバンドといわれている所以であり魅力です。
しかし、ワンマンバンドにばかりスポットがあたってしまう感じがありますが、よく聴いているとコードヴォイシングや曲の組み立ては素晴らしいものがあります。
このあたりは超スタンダードなナンバーであるボディ・アンド・ソウルをオーソドックスなスタイルで演奏をしているのを聴くとよくわかります。まあエンディング部分にハーモニクスは多用していますが・・。
ハーモニクスといえば以前タック・アンドレスさんがインタヴューで言っていた「ハーモニクスを綺麗に出す方法」は、ひとつは優しく弾く事だそうです。映像を見ていると結構強く叩いているように見えますが、実際はアクションが早いのでそう見えるだけで優しく叩いているそうです。
そして叩いた後、弦に指が触れている時間を限りなくゼロにする・・。これは理屈に合っていますね。更には演奏全体のヴォリュームを抑えることだそうです。
全体のヴォリュームがある程度抑えられていれば、ここだ!という音やフレーズを際立たせることが出来るのだそうです。これはかなり参考になりますね。演奏にメリハリをつけるためには身に付けたいところです。
弱々しくならず、音がしっかり出ていて(決して大きい音という意味ではありませんね。) コントロールできれば、テクニックだけではなく表現するという意味において演奏は向上します。
ぜひ参考にしてください。
この曲はマスターしたい
タック・アンドレスさんの奏法自体をコピーするにはかなりの練習が必要ですね。
楽曲としてみたときには、2曲目の虹の彼方へとか超スタンダードの4曲目ボディ&ソウルなんかはアレンジや表現の参考になります。
その中でも6曲目のステラ・バイ・スターライトがいいですね。この演奏もオーソドックスなスタイルの演奏なのですが、最初のテーマ部分の歌わせ方といい、ソロの2コーラス目からのインテンポでのスイングしている演奏といい、絶妙です。
ベースラインの音をはじめ,歌わせ方がタック・アンドレスさんの特徴でもありますが、見事なランニングベースとコードをミックスした演奏です。
エンディング部分のハーモニクスの使い方も実に効果的です。
この曲はジャズの名曲でいろいろなギタリストが取り上げる曲ですが名演奏のひとつと言えると思います。