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汽車

ソロギター用に童謡『汽車』をアレンジしました

難易度:★★★☆☆☆
作曲:大和田愛羅 作詞:未詳
明治45年、教科書「尋常小学校唱歌 第三学年用」に掲載された文部省唱歌です。
(引用:西東社・こころの名曲集より・敬称略)

>>>譜面・ギタータブ譜はこちらからご覧ください。

アレンジのポイント

この曲をアレンジするにあたって、わたしの中である曲のイメージを元にしたいというのがありました。それはジャズギタリストのパット・メセニーさんのグループ「パット・メセニー・グループ」の「ラスト・トレイン・ホーム」という曲です。

まあ、「汽車」と「トレイン」ですから安直なイメージではあるのですが・・・。このように、何かの曲のイメージを想い描いてアレンジをするとしやすい面があります。

終始8ビートで低音をずっと弾いているというアレンジなんですが、それは汽車の走っているイメージを表現してみました。

いくつかの部分にわけることができるアレンジです。

まずスタート部分は短音でワンコーラス、そして2コーラスめは和音にして、少しカントリーな雰囲気になるように、ハンマリングを使用してメロディを奏でるアレンジにしました。

次はブリッジですが、ここは歌詞で言うと「今は鉄橋渡るぞと・・・」の部分のメロディを、コードを変えて2回繰り返し、さらに「今は鉄橋、今は鉄橋・・・」と2回繰り返し、そして終始するパターンへ入りエンディングになります。

エンディングは、1〜3弦を使用して近い音程の部分を重ねることで踏切の雰囲気を出したつもりです。踏切の音に重なって、隠れメロディとして「今は山中・・・」を奏で、そして静かに駅に止まったのか・・・、走りさったのか・・・、エンディングを迎えるというアレンジです。

ちょっと変わった感じで、構成を凝ったアレンジにしてみました。汽車が走っているようにる感じていただけたら嬉しいです。

演奏のポイント

演奏のテクニックとしては、難しい方ではありませんが、全体の雰囲気と言うか、よどみなく流れていく感じを出すのはけっこう難しいです。テンポをキープしながら、抑揚を少し大げさにつけると良い感じになると想います。

1小節〜23小節
ここは、8ビートを刻んでいる6弦をミュートして演奏しています。ミュートはギターのブリッジに近い部分を左手の小指側の腹で触れています。6弦だけをミュートするようにして、メロディを響かせるようにするのが少し難しい部分。この部分はあくまでも静かに奏でていきます。

24小節〜46小節
2コーラスめになります。24小節の終わりから25小節の頭は、1弦から4弦に向かってストロークをしています。このストロークはなるべくクイックに演奏して6弦の8ビートを切らないように気をつけます。

これは、この後も頻出するパターンとなります。右手の指は人差し指でも良いのですが、私は中指を使用して手をクイックに握るように指を動かしてストロークをしています。

メロディ部分はハンマリングを使用した少しカントリーテイストを入れてみました。メロディは指をはじくというか跳ねるような感じで弾くと躍動感が出ます。

47小節〜70小節
ここは、ブリッジ部分ですので盛り上げてしまえば良し!と言えます。あまり細かいところは気にしないでコードストロークのような感じで弾いて行くと良いと想います。ただ一点だけ、メロディ部分を少し強く聴こえるように意識して弾くこと大切です。

71小節〜エンディング
ここからエンディングに向かってだんだん静かになっていきます。スーッと落として、前のブリッジ部分とのメリハリをつけるようにします。

さらに、1弦と2弦で踏切の雰囲気を出しています。踏切のドップラー効果のような雰囲気を出したかったので、少し不協和音的にアレンジしてありますが・・・いかがでしょうか。

79小節から86小節は、隠れメロディとして「今は山中」の部分が入ってきます。聴こえるようで、聴こえないくらいのバランスで入れると良いのですが、わたしの演奏では少し小さすぎましたね・・・。

87小節からは、踏切のモチーフをさらにドップラー効果のイメージで不協和音的にしてみました。

そして、だんだんと遅くなっていって、エンディングのハンマリングを絡めた和音で静かに終わります。

最後のコードは「C」になるのですが、ハンマリングを使用して「レ→ミ」と内声音を動かし、さらにルート音である「C=ド」の音より低い音で「G=ソ」の音を6弦で奏でています。単純なコードではありますが、グッとくる感じがしませんか?

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