1948年3月2日生まれ。アメリカカリフォルニア州トーランス出身のジャズ・フュージョン界を代表するギタリストの一人。作曲家。
(ウィキペディアフリー百科事典より引用)
■ラリー・カールトン(Larry Carlton)・超個人的なその魅力
はじめてラリー・カールトンさんの演奏を聴いたのは、ラジオから流れてきたルーム335でした。 当時ロック少年だったわたしは、しばらく経ってからその良さに気がつきました。ラリー・カールトンさんの魅力をひとことで言うのは大変難しいのですが、 まずは、バッキングワークやコードヴォイシングが華麗であることでしょうか。一連のスティーリー・ダンの作品や 夜の彷徨でのバッキングはかなり良いと想います。
もちろんソロプレイは強烈の極みなのですが、 フレーズ全体はもちろんのこと、細かいところでは、急に高い音へ飛ぶようなフレーズが好きです。 コピーが難しいのですよね。このようなフレーズは・・・。そこへあの微妙なニュアンスのチョーキングが絡んで来ると涙物です。
最近は結構ブルースしているのですが、そんなに泥臭い感じがわたしはしません。
夜の彷徨の都会的な感じが、わたしにはきっとこびりついているんでしょうね。
■ラリー・カールトン(Larry Carlton)・超個人的なこの1曲
ルーム335(アルバム/夜の彷徨・収録)
本当に悩みます。ルーム335ではいかにも!という感じですね。正直に言ってこの曲と双璧な曲はたくさんあります。 しかしソロとバッキングと楽曲とアレンジが全て整っていると言う理由でこの曲がやはり一番かな、と想います。
ソロは完成されすぎています。ですからライヴなどでのルーム335は、かえっていいソロにならないと言う感じがいつもします。
バッキングは特にキーボードソロのバックが最高です。 曲も完成度が高いです。余談ですがスティーリー・ダンのペグと言う曲のコード進行にインスパイアされて出来た曲と言うのは有名な話ですが、ペグでもギターを弾いたらしいです。アルバムには未収録だったとのこと。う〜ん、是非聴きたかった!
夜の彷徨![]() |
ルーム335以外の曲も逸品ぞろいです。特に好きなのはナイト・クロウラー。 ソロの2コーラス目の3小節目から4小節目のフレーズ。さらに続けてチョーキングで叫ぶ?ところ。体に電気が走ります! あとはポイント・イット・アップのヴァイオリン奏法の絶妙なニュアンス。リオのサンバでのソロのバッキングパターンが変わった部分の 4小節目の少々変わった音使いなど。どの曲も名演です。ただし、ヴォーカルはちょっといただけないかな・・・。 |
■ラリー・カールトン(Larry Carlton)・超個人的な3枚おろし
幻想の摩天楼/スティーリー・ダン
スティーリー・ダンの5枚目のアルバムです。ここでのラリー・カールトンさんはほとんどメンバーの様な存在感です。 それはプレイにしてもプロデュース的にも。
特にギタリストとしては1曲目の滅びゆく英雄ですね。 この曲でのソロは以前、ローリングストーン誌で「ロック史上最高のギターソロ」の3つのうちのひとつに選ばれた名演です。 本当に素晴らしいソロだと想います。難しいことはそんなにしていないし、即興性もそんなに感じ無いのですが、 心を打つのです。実際に本人が後のインタビューでこのソロは途中で1回パンチインしたと言っていましたが、 スティーリー・ダンのアルバムだからこその完成度。見事に楽曲とマッチしている名演です。
ストライクス・トワイス

夜の彷徨の後、ライブ盤を挟んでリリースされた作品です。基本的には夜の彷徨の延長的なアルバムですが、 なにしろ夜の彷徨が名盤だったために少しセールス的にも評論的にも評価の低いアルバムです。 確かに楽曲もストライクス・トワイス以外はそんなにパッとしません。
しかし、あえてここでご紹介するのはマルベリー・ストリートのソロがルーム335に並ぶ名演となったかも知れない?からです。
ライナーノーツにも評論でもこのソロはギターシンセを使用していると言う話でしたが、ラリー・カールトンさんの以前のインタビューでテープの回転を遅くしてソロを演奏してからノーマルな回転に戻した。 と言うことのようです。確かにそう聴けばそれっぽいです。しかし問題はそのフレーズで、良く聴いているとかなり良いソロです。 トリッキーな音に隠れてしまいそうですが、わたしはフレーズ的にはルーム335に匹敵すると想います。しかし、 変わった録音をしたために残念ながら名演にならなかった・・・そんな気がするのですがいかがでしょうか?
On Solid Ground

3枚目はこのCDをご紹介いたします。とは言ってもそんなに名演という感じではなくて、 可も無く、不可も無くという感じです。なぜこのCDを?と言う事ですが、これは本当に個人的なことです。 このCDはラリー・カールトンさんが強盗の銃弾に倒れたあとの復帰第1作目です。この事件のあと、 あのプレイが二度と聴くことが出来ないかも?と想うと、フリークとしてはなんとも複雑でした。 話によると手が動かないのでリハビリをしている!なんて言うことも伝わって来たので、このCDで見事に復活しているのは本当に感動したものです。 そんな意味で3枚に入れてみました。ところが実際にはほとんどの曲を事件以前に録音していたらしいです・・・。 これまた複雑な心境!でもいいんです。なんとなく好きなCDなんです!
■超個人的なあとがき

それにしてもラリー・カールトンさんのCDを3枚に絞ったり、1曲を選んだりするのはやはり難しいです。 良い演奏が多すぎます!最近は結構ブルースなCDが多いのですが、近作では以前の爽やかフュージョン系の音が少し戻ってきている感じがします。 出来ればこの路線を追求し続けてもらいたいと言う個人的希望があります。また4ビートのアルバムも聴きたいところですが・・・、これはもっと後でも良いですね。いずれにしても、これからも追い続けたいと想います。
ちょっと苦言:レスポールを持つことが最近ありますが、個人的には似合っていないと想うのですが・・・。 これはサウンド的にもそうですが、見た目も・・・。やっぱりミスター335で しょう!個人的な感想です、あくまでも・・・・。