1957年1月1日生まれ。日本を代表するフュージョンバンド、カシオペアのギタリストで、同バンドのリーダー。また、カシオペアの曲の大半を作曲している。東京都世田谷区出身。趣味は、料理と手品。血液型A型。
(ウィキペディアフリー百科事典より引用)
■野呂一生・超個人的なその魅力
ロック少年だったわたしが初めて野呂一生さんの存在自体を知ったのが、当時毎月買っていたヤングギターと言う雑誌に 掲載されていたインタビューを読んでからです。そこに掲載されていた写真を見たときに「変な顔、 こいつ上手いのかね?」って想っていました・・・大変失礼なんですが・・・。頭はカーリーヘアで靴ではなくて草履を履いている写真だったのを覚えています。 丁度カシオペアのセカンドアルバムスーパーフライトが発売されてのインタビューだったと想います。それからしばらくして4枚目のアルバムメイクアップシティの発売された直後のライヴを観る機会があり、 そこで初めて聴いたわけなんです。この時にロック少年だったわたしの人生を変えたと言うか・・・ それはギタープレイと言うよりはバンドとしてのアンサンブルでした。
ですから今でも野呂一生さんのギターはもちろん好きなのですが、 それよりも曲とかアレンジ、バンドアンサンブルがすごく好きなんです。後期のカシオペアについては賛否両論あるようですが・・・ そう言われるとわたしも初期の方が好きですね。
またカシオペアのコピーバンドをしていましたので当然ギターはコピーしました。 でもギタープレイよりもバッキングだとか、キメ技!見たいなもの、バンドアンサンブルを多く練習していた記憶があります。 ですから野呂一生さんの場合あまりギタリストと言う感じがしないんですよね・・・個人的には。かなり影響を受けたのがこの部分で、 オリジナルを創ると「カシオペアみたい!」って良く言われました。
野呂一生さんの超個人的な魅力は、完全にギターと言うことでは無くて、 コンポーザーとしてまたアレンジャーとしてすごい才能とセンスを持っていることです。
■野呂一生・超個人的なこの1曲
Gypsy Wind」(ジプシー・ウィンド)(アルバム/Make Up City(メイク・アップ・シティ)・収録)
たくさんのCDをリリースしているカシオペアの中でも最高傑作だと個人的に想っているメイクアップシティ。その1曲目で演奏されているのがこのジプシーウィンド。この演奏でのソロは良くまとまっていて、良く歌っていて、やっぱりベストプレイだと想います。
この曲でのギターソロは16小節。D(onB)→D♭(onB)とC(onB)→G(onB)が交互に出てくるコード進行です。このコード進行は丁度イントロの部分のリフレインのようになっていてこのあたりが実にアレンジが上手いと感じるところです。結構難しいんですよね、このようなコード進行は・・・。
ここではルートが全てBですのでアッパーストラクチャ-トライアドと言う技法とBm一発と言うフレーズを混ぜて演奏しています。ソロの前半はコードが流れている2拍分をあえて弾かずにソロを展開しています。中盤は段々とそこの部分にも重ねてソロを弾いて、後半の最初には6連符を中心に速いパッセージやトレモロを入れて盛り上げて、終りにはテーマのリズムを使ったフレーズでサビ前のB7に解決しています。このあたりの全体の流れはまさに起承転結が出来ています。このあたりがセンスなんでしょうね・・・きっと。曲全体として見た時も、野呂一生さんの曲の特徴でもある、ひとつのフレーズをコードを変えてつなげる、と言う感じではなくて、メロディが完成されていると想います。初期のカシオペアにはこのような曲が結構ありましたね・・・。
MAKE UP CITY![]() |
ジプシー・ウィンド以外では楽曲としてアイズ・オヴ・マインドやメイク・アップ・シティ、トゥインクル・ウィングなど名曲がありますが、ギターソロとしてジプシー・ウィンド以外ではリフレクションズ・オヴ・ユーでのアコギソロが珠玉の出来だと想います。またソロだけではなくてバッキングワークもいい演奏があります。メイク・アップ・シティのエレピソロのバッキングなどはなかなか良いですね。 |
■野呂一生・超個人的な3枚おろし
HERE COMES THE HURRICANE BASSMAN/鳴瀬善博
鳴瀬喜博さんと言えばカシオペアのメンバーですね。でもかなり古くから鳴瀬喜博さんを聴いていたので、カシオペアに加入!と聞いたときには結構複雑な感じでした・・・。ですから今でも鳴瀬喜博さんはカシオペアの正式メンバーと言う感じがあまりしなくて、セッションの様な感じがどうしてもしてしまいます。
このMYTHTIQUEは鳴瀬喜博さんの1981年発売のファーストアルバムです。参加メンバーが渋くてかなり良いアルバムなんですが、この4曲目のトーク・トゥ・マイセルフと言う曲で野呂一生さんがゲストギタリストとして参加しています。この曲でのソロが結構良いんです。野呂一生さんのソロの部分は丁度ラテンフレーバーになっていてそれに良くのって歌っています。また、全体を通してのバッキングもかなり渋くキメています。後半のカッティングはミュートを上手く使って、まるでリーリトナーさんのようなカッティングでなかなかです。セッションワークが結構少ない野呂一生さんですが、初期のセッションとして名演だと想います。残念ながらこののアルバムはCDになっていませんが、鳴瀬喜博さんのベストで聴く事が出来ます
TOP SECRET

まずドラムとパーカッションそしてベース以外の全ての音がギターのみと言うもの。つまり普通キーボードなどで演奏するストリングスフレーズやブラスなどををギターで演奏していると言うことなんです。しかしギターシンセをあえて使用しないでオーヴァ-ダビングで重ねていったと言うところが面白い作品です。当時のインタビュー記事を見ると、それこそギターのワンフレーズを録音するのに、何回もオーヴァーダビングを重ねて厚みを出していると言うことでした。
もうひとつはPCで再生した時に、細かなエフェクターのセッティングやつなげ方、そして使用ギターの紹介とムービー、MIDIでの再生など面白い機能が盛りだくさんなんです。特にMIDI再生ではそれぞれの音を消したり出来ますので(例えばドラムとシンセベースをオフにしてギターの左側のカッティングだけ再生するとか)構成や音の重ね方、アレンジの勉強になります。それにしてもギターシンセを使用すればもっと簡単に出来るのでしょうけど・・・、あえて使用しないでオーヴァ-ダビングで重ねていったと言うところがギター弾きとしては面白い作品です。ただ、演奏や曲自体は可もなく不可もなくと言う感じなので、普通に聴いた時にはやや短調な感じはします。でも大好きですこの作品。本当に意欲的な作品であると同時に、ギター弾きが想っている夢みたいな部分を再現していると言う感じがします・・・個人的には・・・。
SWEET SPHERE

あと一枚をどうしようか・・・ものすごく考えました。カシオペアの作品も入れたかったのですが・・・。ここは野呂一生さんの作曲とかアレンジの部分が良く解る1枚目のソロアルバムSWEET SPHEREにしました。聴いているとカシオペアっぽいようでいてカシオペアではない・・・と言う感じですが、良く聴くとやっぱり野呂一生さん!です。歌ものやスキャット、そしてブラスなど入っているのですが、楽曲がなかなか良いのでわたしは結構好きなCDなんです。
特に1曲目のBrightTimesや8曲目のSweet Sphereなどは名曲だと想います。でもギターは結構地味ですけれど・・・。全体的には一生懸命カシオペアのイメージとは少し違う世界を創ろうとしているように感じますが、今一歩抜け出ていない感じがするのですが・・・。でもこの世界観をもう少し推し進めていけばたぶん面白いソロ活動が出来ていたのではないかと・・・個人的には想っているんですが・・・。
■超個人的なあとがき

左の写真はメイクアップシティの当時のLPレコードの付録としてついていたメイクアップシティとアイズオヴマインドのスコア譜です。これはペン描きのもので、ほとんどが波線だったり、「Fill」とか「SOLO・adlib」などと記入されていたりしていて、当時「プロはこんなシンプルで渋い!譜面を使っているんだ!」と感動したものです。譜面の描き方もこれを結構参考にしたりしていました。
とにかくギターと言うよりはコンポーザーとしていつも聴いていたよう

(左の写真はギターマガジンに載っていたジプシー・ウィンドのコピー譜とヤングギターに載っていたアイ・ラヴ・ニューヨークのコピー譜です。)