超個人的!ギタリストピックアップ・パット・メセニー(Pat Metheny)さん

ギターの響き
『ギターの道と言うものは遠くて険しい・・・とも言えるがしかしひとたび奏でれば、優しく、楽しいものです・・・。』
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パット・メセニー(Pat Metheny)・超個人的!ギタリスト・ピックアップ

パット・メセニー(Pat Metheny)
1954年8月12日生まれ。アメリカ人ジャズギタリストでパット・メセニー・グループのリーダーである。ミズーリ州リーズサミット出身。
ウィキペディアフリー百科事典より引用)



■パット・メセニー(Pat Metheny)・超個人的なその魅力

はじめてパットメセニーさんの演奏を聴いたのは、 実はあまり覚えていないのですが多分First Circle(ファーストサークル)に収録されているYolanda、You Learn(ヨランダ、ユーラーン) だったと想います。 この曲はテンポの速い8ビートで結構馴染みやすかったのを覚えています。まあそれなりに・・・と言う感じだったのですが・・・。 パットメセニーさんの曲は難解と当時想っていましたので実はあまり聴いてはいなかったのです。
STILL Life(talking)(スティルライフ)と言うCDも購入したのですが、やっぱりあまり聴いてはいませんでした。 ある日しばらくして何気に聴いてみました。その時はいわゆる「ながら聴き」ではなくて、 じっくりとオーディオの前に座って・・・。これが不思議なことに最初に聴いたときとは全く違った印象で実に奥が深くて、 またギターがすごい!って 想ったのです。
パットメセニーさんは以前のインタビューで
「世界で音楽を純粋にいいている人は大体2%。その人たちへ向けて創っている。」
と言うような内容のことを言っています。 ながら聴きやドライブ、ラジオなどのメディアからではなくて、 ピュアにオーディオセットの前で音楽に没頭して聴いている人たちのことだそうです。 当然その方たちをターゲットにしているので演奏や楽曲はもちろんですが録音やジャケットも含めてクオリティが高く力作が多いんです。実際にジャケットに安直に演奏写真や顔写真が写っているものは無いんです。全てきちんとした意味のあるデザインがされています。 いろいろ聴いていると結構、これって妥協したのかな?って想うような作品が巷にはありますね。 でもパットメセニーさんの作品については 良し悪しは別として、いつも力作、妥協なし!って感じがします。 特にパットメセニーグループの作品はなおさらです。 先ずこれがパットメセニーさんの魅力の1つだと想います。
そして、ソロ名義やグループの作品と別に、ギタリストとしてたくさんの作品参加しています。
パットメセニーさんのギターはどのプレイを聴いてもすぐわかるくらい強烈な個性があります。 一瞬、音が外れたかと想わせるアウトフレーズや駆け上がるクロマティックフレーズなど。 これは逆にいえばワンパターンと言われることが在りますが・・・。でも良く聴くと良いフレーズが連発しています。 ボキャブラリが大変豊富なんですね。アコギやクラシカルなプレイを聴くと特に感じます。そしてプレイ全体が非常にホーンライクなんです。 よくジャズなんかを聴いていても、サックス等のソロの後にギターソロがあると急に全体が、悪く言うとしぼんだ感じがすることが在るのですが、 パットメセニーさんの場合は負けていないんです。これも大きな魅力ですね。
一番の魅力は何だろう?って考えてみた時に、実際は良く解らないのです。とにかく聴いていると無性に興奮してくるんです。 不思議なことに・・・。一般的なことは置いておいて、とにかく個人的に、無条件に大好きなんです!

■パット・メセニー(Pat Metheny)・超個人的なこの1曲

HAVE YOU HEARD(ハヴ・ユー・ハード)
(アルバム/THE ROAD TO YOU(ザ・ロード・トゥ・ユー)・収録)
HAVE YOU HEARD(ハヴ・ユー・ハード)パットメセニーグループの定番曲です。最近までライヴのオープニングは必ずこの曲でした。 オリジナルはLETTER FROM HOME(レター・フロム・ホーム)と言うアルバムなんですが、あえて THE ROAD TO YOU(ザ・ロード・トゥ・ユー)でのライヴバージョンをこの1曲としました。
譜面を見ると解るのですが、この曲は7/4拍子を基調に3/4拍子と4/5拍子、4/4拍子が入り組んでいます。 でもたいへんにスムーズに、メロディやコード進行そして全体のアレンジがされていますので、複雑な感じではないんですね。 これが不思議で、取ってつけたようになっていないんです。パットメセニーグループの曲は全体にそんな感じで、まさにこの曲は代表と言えます。 自然なメロディとコード進行の結果、複雑な拍子になった、と言う感じです。
ギタープレイはまさにメセニー節連発と言う感じです。Cm7→Fm7と言う流れに続いてA♭7→G7→Cm7でワンパターンが完結していますが、 このA♭7でのフレーズが本当にグッときます。 ソロの中でも特に3:00分過ぎの定番フレーズからそのモチーフをいかしつつの転調や4:20分過ぎの盛り上がり部分などは鳥肌が立ちます! あえてオリジナルではなくてライヴバージョンを選んだのは、オリジナルにないバンド全体のグルーヴ感があるからです。 当然全体が盛り上がるとソロイストも盛り上がります。結構オリジナルはさっぱりしていますので・・・。本当に名曲だと想います!
蛇足ながら矢野顕子さんのDVD作品のSUPER FOLK SONGのなかで練習風景を撮影しているところがあるのですが、 その中でこの曲をピアノで弾き語りをしています。当然、歌詞はないのでスキャットで歌っています。これ自体もすごい演奏なのですが、 それを聴いても、良い曲だなって想います。

The Road to You: Recorded Live in Europe
The Road to You: Recorded Live in Europe
名作LETTER FROM HOME(レター・フロム・ホーム)発表時のライヴ作品です。パットメセニーグループのライヴはスタジオでのクオリティをそのままライヴで再現してしまうと言う驚異的なものとして有名ですね。このライヴも「これってらいぶ?」って想ってしまうほどのクオリティです。その辺のへたなスタジオ作品よりもすごいです。しいて残念なところを言えば、わたしの好きなMINUANO(SIX EIGHT)(ミヌワノ68)が入っていないことでしょうか・・・。


■パット・メセニー(Pat Metheny)・超個人的な3枚おろし

Secret Story
Secret Story
パットメセニーさんのソロ作品です。全体にシンフォニックで大変雄大な作品です。 構想に何年もかけて、10曲書いて9曲捨てたと言う、いいメロディの曲だけ選択して録音したと言うだけあって名曲ぞろいですね。 捨てた9曲も聴いてみたい!
ギタープレイはもちろんですが、録音にもこだわっていて、 例えばcathedral in a suitcase (カシードラル・イン・ア・スーツケース)と言う曲には120のインフォメーションが収められているとのこと。 つまり120種類の音が入っていると言うことです。これもこだわりですね。
特に1曲目のabove the treetops(アバヴ・ザ・トゥリートップス)が 大好きです。これはカンボジアの祈りの曲「ロイヤル ミュージック」がモチーフで子どもたちの声がサンプリングされています。 何とも哀しげだけれども、とても壮大で、雄大で・・・。そしてメロディが綺麗で。 ナイロン弦のギター美しい!この曲が始まったとたんにいつもパットワールドへトリップしてしまうのです。 なおパットメセニーさん 本人はあまり気に入ったプレイではないようですが、 このツアーのDVDもあります。わたしは好きですが、一体どこが気に入らないのでしょうか? と想える映像作品です。


WISH/ジョシュア・レッドマン
WISH
このCDはテナーサックスプレイヤーのジョシュア・レッドマンさんのソロ作品です。バリバリのジャズなんですが、 このCDでは、パットメセニー さんの結構スタンダードなジャズプレイを聴くことが出来ます。 ギタートリオ+テナーサックスのシンプルな編成です。ですからスタンダードなバッキングプレイも聴くことができます。 これがまた上手いんですね、本当に・・・。1曲目のTURNAROUND(ターンアラウンド)のバリバリブルースのバッキングなんかは参考になります。
また7曲目のエリッククラプトンさんの名曲TEARS IN HEAVEN(ティアーズ イン へヴン) はジョシュア・レッドマンさんとのデュオなんですが、このジョシュア・レッドマンさんのソロがいいんです!実に。 そしてパットメセニーさんのナイロン弦でのバッキングが見事なんです!実に。曲自体も名曲ですが・・・。
そして極めつけと想うのが3曲目のMAKE SURE YOU'RE SURE(メイク シュア ユア シュア) でのアコギでのソロ。これは個人的にはNo.1、2を争うソロだと想っています。コードヴォイシングとフレーズが見事です!
このCD全体に言えることが、ギターの音が大変綺麗と言うことです。 パットメセニーグループやその他のソロ名義の作品にはない 生っぽさがあります。 生っぽさと言うのはフルアコースティックギターをアンプを使用しないで弾いたときのアコギとは違う独特の箱鳴り。 そこへアンプを通したウォームな音、そしてやや控えめなリバーヴが絶妙なミックスなんです。 これは、フルアコの音の理想的な音だと個人的には想っています!もちろんアコギ系もいい音です。


Still Life (Talking)/パット・メセニー・グループ
Still Life (Talking)
言わずと知れた名盤です。なんと言っても1曲目のMINUANO(SIX EIGHT)ミヌワノ68ですね。 このタイトルのミヌワノとは南部ブラジルの冬の季節風のことだそうです。まさにブラジル的な感じがする曲なんですが、 陽気な感じではなくやっぱり雄大で映像的。この曲は人の声でメロディを歌っています。このヴォイスでその季節風を表現している感じが見事です。 ギタープレイもすごくて、言葉に表せないくらいです。無条件に好きです、この曲。その他にも LAST TRAIN HOME(ラスト トレイン ホーム)THIRD WIND(サード ウィンド)など名曲ぞろいです。


■超個人的なあとがき

イマジナリ−デイのツアーパンフプロのコンサートを観に行っ時にいつも想うことが、もし自分があのステージに立っていたら弾けるか?と言うことです。 十分ではなかったり、間違うかも知れませんがなんとなくなら出来そう・・・かも?と大体は想うのですが、 パットメセニーさんのライヴを観ると、これだけは無理だ!っていつも想います。ツアーの度に聴きに行くのですが、 このIMAGINARY DAYのコンサート(写真はツアーパンフ)を観た時に、絶対無理だ!と完全にノックアウトされました。 コピーバンドでやるのも無理。アマチュアでは絶対出来ないかも知れないって想いました。演奏自体もすごかったのですが、 シーケンサーと完全に同期しての演奏や、さらに照明を同期させて・・・。 まさに舞台って感じで全体が大きな1つの作品になっていると言うような感じでした・・・。もちろん費用もかかっているんですけれどもね。
また、下の写真はライブ・アンダー・ザ・スカイ92’のビデオです。 これはたまたまTV番組を録画したのですが、 ライヴ・アンダー・ザ・スカイ92’ ここでのプレイがいいんですね、実は。特にミヌワノでのギターソロはNo.1、2を争う出来だと想います。 パットメセニーさん自身がSECRET STORYのライナーノーツで
パットメセニーグループの15周年の公演はこれだけ。ある意味完成してしまっている グループの新たな突破口になるかどうかの非常に大事な公演になると言える。」
と言っている通りにすごい演奏です。もちろん映像作品としては発売されていませんので、貴重な宝物です。プチ自慢ですが・・・。
ちょっと苦言:またまたミヌワノですが、上の映像では最初の静かな部分を演奏していますが、 最近のライヴや映像作品ではここをカットしていますね。この部分が無いと個人的には盛り上がらないのです・・・。 またサードウィンドも同じく後半を結構カットして演奏しています。これも演奏してほしいな・・・。 まあ最近はあまり演奏しないんですけれども・・・。


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パットメセニーさん
使用ギター

いろいろなギターを使用しています。古くはギブソンのES-175のナチュラル。あの見た目ぼろぼろなものですね。そしてIbanezのPMシリーズ。そして忘れてはいけないローランドのギターシンセ・ローランドG303。最近はヘッドマークをGRからPMに変えていますね。もちろんシンクラビアのコントローラつきのものもあります。アコギは古くはギルドオベーションの1763クラシックナイロン弦。そしてリンダ・マンザー作の42弦ピカソギタータカミネのピエゾ搭載のスティール弦シャドウのピックアップ搭載のナイロン弦、そしてフレットレスナイロン弦。さらにレター・フロム・ホームでのミニギターサドウスキーのエレアコ、ラスト・トレイン・ホームでのコーラル・エレクトリック・シタールなど、書ききれません。ちなみに弦はダダリオのEXL115を使用しているようです。
もちろんギターシンセ用に
ローランドのGK-2Aがメインのギターにはマウントされています。またプリアンプとして、デジテックを使用している様です。忘れてはいけないローランドのVG-8もお気に入りですね。

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