第4話・・・愛するフォークと別れたのです | |
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ロックギターに夢中になりつつも
フォークが忘れられない私がいよいよ中学に入学しました。
中学生なので思いっきりギターライフをエンジョイするぞ!
などと想ったかどうかは覚えていませんが
どういうわけか剣道部に入部しました。
別に「森田健作」が好きだったと言うわけではありませんが
他に適当なものがなかったからだと想います。
しかし、任意参加の部活動とは別に
クラブ活動というものがありましたので
そちらはギタークラブに入りました。
こちらは必ずどこかへ属さないといけなかったのです。
そのギタークラブは言うなればフォークソング同好会みたいなもの。
でもあまり活動した記憶はありません。
でもクラブ活動のある日にギターをもって学校へ行くのはいい感じでした。
もちろんあのクラッシックギターをよくあるチェック柄のソフトケースに
いれて・・・・。自分の机の横に立てかけて・・・・。
そういえば、私のクラッシックギターも過酷な労働に耐え忍んできた為に
ずいぶんコンディションが悪くて
ネックもややそり気味。
弦高は高く、テンションは強め。
同じクラブの人のギターの弾きやすさに
羨ましさを覚えたものです・・・。
クラブ活動は一年ごとに選択していくのですが
このクラブのメインイベントはなんと言っても文化祭でした。
何か発表をしなければいけないと言うことで
考えていたのですがここで大きな問題が発生したのです。
隠れフォーク少年でしたので当然フォークソングをと
想っていたのですが
なんと!
歌を一緒に歌うとギターが弾けない!!
今まで自宅で弾いているときには鼻歌程度に歌っていたので
両方出来ていたような気になっていましたが
実際に歌うと・・・・・。出来ない・・・・。
歌うとギターが止まる・・・。
ギターに集中すると歌が怪しげになってしまう・・・。
しかも歌が合唱部のような感じで
フォークっぽさのかけらもない!
しばし呆然・・・・・・・・。
ギターに集中するあまりにシンガーソングライターとしての
最も重要な「歌」というものについて
考えたこともなかったのです。
こうなったら、誰かに歌を歌ってもらって
バックに徹するか・・。
などと想っているうちに時間は過ぎて・・・。
そうこうしているうちに時間はなくなり・・・。
結局、顧問の先生が勝手に決めてしまいました。
そこで演じたのはあの「禁じられた遊び」。
しかもなぜか3人で。しかも他の2人はほとんど弾けない。
中間部分は私の独演。
全校生徒の前でしたので数百人。
あまり緊張はしていなかったけれど、人前でひいた2回目と言うことでしょうか。
どんな感じで弾けたのか、まったく今となっては覚えていません。
慣れ親しんだ「禁じられた遊び」だったので
一応そつなく弾いた・・・・と想う。
これは結構中学生の文化祭としては
インパクトがあったかな?・・と感じていましたが
評判は・・・。
まったくなし!
実は少々自信があったので肩透かしと言う感じ・・。
地味と言えば地味だったが・・。
実はそのとき上級生が「ふきのとう」の「風来坊」をデュオで
演奏したのです。当然歌付き、ハモリ付き。
演奏や歌はたいしたことは無かったけれど
見た感じがカッコよかった。
クラブの女の子たちもきゃっきゃ言っていました。
「禁じられた遊び」よりははるかに評判がよかったのです。
テクニック的には「禁じられた遊び」の方がはるかに上なのに・・・。
やりたかったが、歌とギターが一緒に出来ないという問題で
出来なかったフォーク。
しかも、女の子には見向きもされず・・・・・。
涙も枯れたある日、とつぜん帰ってきた人♪・・・・・。ではなく魂!
「そんじゃおれはロックだぜ! スピードでキングだぜ!」
などと叫んだかどうか覚えていませんが
単純なのりで、ロックギターに身も心も捧げようと想ったのです。
まあそんなに大げさでは無いんですけれど・・・・。
結局はこの文化祭が私をフォークと決別させたのです。
・・・・・・・・。
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