第8話・・・魔性のギタリストと恋に落ちたのです | |
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「おれってロックだぜ!」を「おれってロック・・ック・・ク・・。」
と言わしめる衝撃の出会いは中学2年生の時です。
もちろんこの時は
「おれってロックだぜ!」
という状態だったのであまり感じたものは無かったのですが
それは時間とともに・・・・。
映画「グッバイガール」や「恋人たちの予感」で代表されるような
いわゆる「ボーイミーツガール」ではないですが
時間が経つにしたがって本当は愛していたんだ・・・。みたいな・・。
「魔性のギタリスト」との出会いだったのです。
当時、よくFMラジオを聞いていてエアチェックをしていました。
その日はいろいろな音楽をオンエアーしていました。
「サザンオールスターズ」がデビューしたてで
「勝手にシンドバット」なんかを初めてきいて
これは売れそうだ!と想ったりしていました。
その中である曲のイントロが流れてきた。
とても爽やかで、のりが良くて、しかもオシャレな感じで・・・。
それは「ラリーカールトン」の名曲「ルーム335」でした。
いわゆる「インストもの」で当時このような音楽を
「クロスオーヴァー」などといっていました。
「インストもの」にはあまり興味がなかったのですが
「カルロスサンタナ」は聞いていましたし
「哀愁のヨーロッパ」などはコピーしていましたので
少しは興味があったのかなとも想います。
何気にカセットテープに録音しました。
だからといって積極的に聴いた訳ではなくて
相変わらず
「おれってロックだぜ!」
だったので
「ルーム335」は大感動・・・ではなくて
結構いい感じじゃん!と言う感じでした・・・。
そんな「ルーム335」をすかっり忘れていたある日
当時買っていた「ヤングギター」という雑誌に「ルーム335」の
コピー譜が掲載されていました。
そういえば以前カセットに録音した記憶があったな・・。
そんな感じで久しぶりに聴いてみました。
しかし、なんとなく以前聞いた感じとは明らかに違う感じ。
映画で言えば、観客が
「この二人はもしかしたら・・・」と想わせるようなエピソードが
出てきたと言う感じ・・・。
ちょうどコピー譜もあるので
何気に弾いてみようと想いました。
聞いた感じがそんなに超絶な早弾きはないし楽勝くらいの感じ。
まずはイントロのとても印象的なコード進行。
この感じは今まで無かった感じ。
弾いてみて初めて感じる感覚。
そう、これが「Cmaj7」と言うコード。
今までロックの世界ではあまり無かった「maj7」の魔力。
そしてテーマからソロへとコピーを進めていくと・・・。
まったく弾けない!
今まで充分では無いけれど一応どんな曲も弾けたのに
この曲だけは歯が立たない!
テーマのチョーキングを巧みに使った微妙なニュアンスがでない!
ソロの中間の16音符の連発は、弦が飛び飛びで
ひ・・・弾けない!
また、これがある程度計算されているとはいっても
アドリブであることがわかったときには
今だかつてない衝撃が襲いかかったのです!
そう、それは「リッチ-ブラックモア」との出会い以上の出会いでした。
それと同時にとても大きな壁となって立ちはだかっていました。
これを機会に「ラリーカールトン」の「ルーム335」が
入っている名作アルバム「夜の彷徨」をさっそく手に入れました。
「ルーム335」はもちろんのこと
その他の曲全てが今までとは別世界で
まさに「大人!」の音楽でした。
当然ギターは簡単そうに聞こえますが
実は大変難しく、コピーもままならない状態でした。
しかし、ロック魂が抜けた訳ではなかったのです。
「ラリーカールトン」は好きでしたが
インストと言うことに若干の抵抗があり
ロックを平行しつつ、やや「クロスオーバー」ッぽいものを
多く聴いていたのが中学校最後の年でした。
「カルロスサンタナ」のインストの曲や
「ジェフベック」の名作「ブロウバイブロウ」など・・・・。
ちょうど小学校から中学校へ上がるときに
フォークとロックの狭間で揺れていたのと同じように
ロックとインストもの、つまりじっくりギターを聞かせる
音楽との間で揺れていました。
中学校生活も残り少なくなってきた晩秋のことでした・・・・。
つづきは次回に・・・。
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