第9話・・・魔性のギタリストは台風のようだったのです | |
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サザンオールスターズの名曲の「私はピアノ」の歌詞の中に
「雨の降る夜にはラリーカールトン・・・。」という部分があります。
しかし私にとっては「ラリーカールトン」は決して「雨」ではなく
むしろ「台風」のようでした。
「ラリーカールトン」の名盤「夜の彷徨」の収録曲は
ほとんどコピーしました・・・・・?
コピーしようと試みました・・・?
コピーできませんでした!
つまり難しかったのです。
今までのいわゆるロックギターとは違う弾き方が必要で
それを習得するまでには結構な時間を費やしました。
一番感じた違いは小指の使い方です。
確かに「リッチ-ブラックモア」もロックギタリストとしては
「小指」を多用する奏法で、それがそのままあの「リッチ-節」になっていました。
しかし、「ラリーカールトン」の場合は
もっとクラシカルにいわゆる「指をたてる」と言うことをしないと
速いパッセージが弾けないと言うことがわかりました。
4曲目の「ポイントイットアップ」と言う曲は
16符音符の連続する曲。さらにサビのコード進行の部分では
倍になるのですが当然弾けませんでした。
「小指」が引きつりそうになったものです。
ちなみにこの曲はイントロ部分で「ヴォリューム奏法」をしています。
そのニュアンスがカッコよくて
ギターのヴォリュームでチャレンジしましたけれど
どうしてもあのニュアンスが出来ずくじけたことがありますが
後にこれは「ヴォリュームペダル」を使っていることを知り
さっそく購入した記憶があります。
当時の「ラリーカールトン」はES335と言うギターに
ブギ-のアンプを歪ませてエフェクターは基本的に
ヴォリュームペダルだけだったんですね。
さらに独特のコードワーク。
左手の押さえ方はもちろんのことですが
右手のピックの使い方、シングルノートでのミュートしたカッティング等
やはりロックの世界ではなかった奏法で
特に16ビートのカッティングは特訓しました。
タイトル曲の「ルーム335」はソロはもちろんですが
キーボードのソロの部分のバックのカッティングがこれに当てはまり
ソロと同じくらい練習しました。
「16ビート」のマジックにすかっり「はまった」のは
これがきっかけだったのです。
さらに、何と言ってもあの「ラリーカールトン」の
独特のニュアンスが出ない!
これはもう奏法と言うよりはもっとメンタルな部分。
「ぼ・・ぼくは子供だから大人の味は知らないんだ!」
と叫んだかどうかは覚えていませんが
まさに大人の音楽だと感じていました。
最後の曲の「昨日の夢」は
微妙なチョーキングのニュアンスがセクシーで
弾けた時には
「なんてセクシーでエクスタシーなんだ!」
と叫んだかどうかは覚えていませんが
今でも、名演奏だと想います。
中学校生活もそろそろ終りに近づいていましたが
「ラリーカールトン」以外のいわゆる「クロスオーバー」は
あまり聴いていませんでしたし、弾いていませんでした。
中心はやはり「リッチ-ブラックモア」で
相変わらず
「『ホウジョウー!』という訳のわからない掛け声とともに地獄づきをするT君」
とリッチ-談義を交わしていました。
しかし、インストものにも興味があったので
何曲かはコピーしていました。
「ジェフベック」の「スキャッターブレイン」という
まるでスケール練習のような曲や
名曲の「哀しみの恋人たち」や「ブルーウィンド」。
「カルロスサンタナ」の超有名曲「哀愁のヨーロッパ」
や「ムーンフラワー」。
など、比較的ロックに近いインストを弾いていました。
小学校を卒業する時期に「フォーク」と「ロック」の狭間で揺れていた
ギター魂が今度は中学校を卒業する時期に
「ロック」と「クロスオーバー」の狭間で揺れていました。
いよいよ中学校卒業です。
高校生になるとギター演奏とともにバンド活動に
入って行くのでした。
・・・・・・・・・・。
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