さらに装飾を入れてアレンジします(2)
ソロギターレクチャー【第6楽章・Track35】
このTrackではサビからエンディング部分について手を加えていきたいと思います。
まず、9小節目の終りの部分のサビに入るところですが、ここではメロディに対して6度でハーモニーをつけています。度と言うことについては理論編をご覧ください。
これに対してその次ぎの10小節目のコードGの部分では3度のハーモニーをつけています。メロディを2音で奏でる場合には、この3度と6度のハーモニーの形を覚えておくとほぼオールマイティに使用できます。感覚的に弾いて見ると指の形がわかると思います。
10小節目の頭はハイポジションでのコードDです。ベース音は前のTrackでのご説明と同じで4弦の解放の「レ」を使用しています。
11小節目の終りの部分では、次ぎのフレーズに移る前に再度「レ」の音を入れることで、ここでのコードのDと言う音を強調しています。そしてその「レ」の音に次ぎのフレーズの頭の部分を重ねているというわけです。
次ぎの部分です。
最初の部分は同じく6度のハーモニーです。
そして、コードBmのアルペジオからコードGでメロディを3度でハモらせて、コードEmになります。ここでのEmは左手を全く押さえません。少々骨休めと言うこともありますが、もうひとつ、ポジションの移動と言う理由があります。
いままでサビの部分は比較的高い音で奏でていましたが、ここで低い音へポジションを移動したわけです。それは次ぎの部分でご説明します。
次ぎは、このようにしました。
最初の、メロディにコードをつけただけのアレンジでは元の曲の通りに高い音で弾きました。でも弾いた感じが、あまりにも高い音で、けっこう間の抜けた感じの想えましたのでオクターブ下げて見ることにしました。
そのために、先ほどのEmの部分で左手をまったく押さえない形にしてその間に低いところへ全体のポジションを移動したと言うわけなんです。
このように、左手を使用しない解放弦はポジションを大きく移動する際には大変有効ですので、覚えておくと便利です。
頭の部分はメロディがずっと「ラ」なんですが、ベースを「ソ」「ミ」と下げて14小節目のコードDのベース音「レ」につなげています。
15小節目ですが、メロディをオクターブ低くしたために、ベース音とメロディがかなり近くなっています。と言うかほぼ重なっています。ここはベース音を無理に入れずに逆に高い音を装飾的に入れてコード感を出しています。15小節目の終りの2、3拍目の「ラ」「ファ」と言う部分ですね。
それではエンディングを見てみます。
ここは、今までのフレーズのリフレインですのでOKですね。
最後のコードDの部分は2弦の3フレットと1弦の解放を一緒に弾いて、かつ2弦の3フレットはそのまま音を延ばしながら、1弦の音をハンマリングで2フレットを押さえて鳴らすと言うテクニックです。良く使用されます。特にこのようなカントリーフレーバーやブルースフレーバーの曲には効果的ですね。ハンマリングと言うのは左手の指でハンマーのようにフレットを押さえて鳴らすテクニックです。
サビからエンディングははこのような感じにしました。
ここまでの流れはお解かりでしょうか?
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この後もさらに発展させていくことは出来ますが、アレンジはこれで終了としていよいよ第6楽章のメインのアドリブに入って行きたいと想います。
なお、実際に先ほどのアレンジを弾く場合には、例えばコードを弾く時に、ポロロ〜ンと言う感じで分散してみたり、テンポを部分的にスローにしてみたりして、抑揚をつけて弾きます。
それだけでも、かなり聴かせることができますので、ご自分なりにいろいろと感情を込めて弾いてみてください。
それでは次ぎのTrackでアドリブについてお話して行きます。