具体的に見てみましょう(2)
ソロギターレクチャー【第2楽章・Track12】
それでは具体的にどのように弾くかを見ていきたいと思います。
いろいろな弾き方がありますが、まずは一気にストロークしてしまう、という弾き方があります。
これは丁度ピックを使用する場合と同じように、親指やその他の指を基本的に1本で低い弦から高い弦に向かって「ジャラ〜ン」と弾きます。曲の一番最初や途中でアクセントをつけたい場合には有効な方法ですね。
しかし、この弾き方には難しいポイントがいくつかあります。
1つ目は、メロディ音である2弦の「シ」の音を綺麗にしかも目立つように弾かなければならないと言うことです。メロディはその他の音よりも基本的には強い音、または大きい音でないと曲としてのバランスが悪くなりますよね。
さらにメロディ音が2弦ですので、当然ストロークした場合には2弦で止めないといけないと言うことになります。
2つ目は、引き続いてメロディを弾いていかないといけないということです。ストロークをすると左手は地面方向に向かっています。すかさずメロディの続きを弾くにはテクニックと慣れが必要です。
さらに、ストロークと似ていますが、今度は指1本ではなくてそれぞれの指を分担して「ポロロン〜」と弾く弾き方もあります。この場合に疑問に思われるのが、どの弦に左手のどの指を分担させるか?と言うことですね。
指は5本あります。そしてこの場合は1弦を除いた5つの弦を弾くので丁度5対5になっていて良いような感じがします。順番に担当していくと6弦が親指、5弦が人差し指、4弦が中指、3弦が薬指、そしてメロディ音の2弦が小指となります。これを高速で順番に親指から順番に小指まで「ポロロン〜」と弾くわけです。
この指の分担だと無理ですね。実質上ほとんど小指は使いません。多分コントロールが困難な指だからだと思いますが・・・。
ですからプロでもこの場合は、6弦と5弦を親指でストロークして4弦を人差し指、3弦を中指、2弦を薬指で弾きます。今までの2種類の弾き方はやや上級向けといえますね。もちろんチャレンジしてみてもよいのですが・・・。
ここでは上記の弾き方ではなくて指4本でストロークをしないで弾く方法をとりたいと思います。
今度は左手が指4本なので4つの音しか出ません。しかしこの1小節目には、5つの音があります。ここで、どの音を弾けばよいか選択しなければいけないと言う問題が出てきます。それでは、どのように選択したらよいかについての基本的な考え方です。
まずは少し理論的にお話しますと、ベース音である6弦の「ソ」の音は当然はずせません。そしてメロディ音である2弦の「シ」の音も同様です。
ここで、この部分のコードの構成音が「ソ・シ・レ」ですのでメロディ音の「シ」とコードの構成音がダブっているのがお解かりいただけると思います。
ですからメロディ音とコードの構成音でダブった音は兼用することができると言う基本を覚えてください。
つまりこの場合は2弦のメロディ音の「シ」と3弦の「ソ」と4弦の「レ」でこの小節のコード「G」の構成音が全て網羅されていると言うことです。したがって、このような音の選択で弾けば良いわけです。(下図)
見事にトップが「メロディ」で「ベース音」との間にその構成音が全て入っている形になっていますね。
今のお話は理論的なものでしたが、これをもっと簡単に考えてみればベース音に近い音は除くと言うことでよいのではないでしょうか。
低い音同士が重なっている場合には多くの場合が綺麗に聴こえないものです。もちろんそれを狙って弾く場合もありますが、ここではなるべく低い音同士が重ならない様に弾くということを覚えていただければよいですね。これなら簡単ですね・・・。
メロディを続けて弾いていかなければいけないのでこの1小節目はこのような点に注意して弾いてください。
なるべくベースの音を延ばすこと
解放弦で鳴っている音を止めないように、つまり3弦に触れない様にメロディを弾く
と言うことです。
ここまで基本的な考え方はお解かりでしょうか?少々混乱しそうな話ですね。いやかなり混乱しそうな話ですね。
プロのギタリストはこの考え方を一瞬でひらめいて、そして弾いているんです。恐るべし・・・。
次のTrackではさらに先に進めて行きます。